2018年2月5日月曜日

第 38 回大会に向けて・・・実行委員長 (津村) の思い

 豊かな地力と多様な生態系に支えられた土壌から生み出された食べ物を 通し て、自立した生産者と消費者が結び付き、地域の社会や文化の発展と、 安定した永続的で幸福な生活の実現を図ること。これは「有機農業」という 言葉が生まれたときからの理念ですが、これは、特別な言葉にしなくても、 本来農業や「農」の在り方の本質のはず。
 今、それぞれの農業の技術的な課題、経営の課題など、考えるべきことも 多いですが、その基盤となる、私たちが生きている社会の「経済の根本的な 仕組みの問題」を共に学び、どうやったら皆が生き易くなるのかを、共に考 える機会をつくりたい。
 本来手段でしかないはずのマネーが、なぜ社会や人 生の目標になってしま ったのでしょうか?
「経済」は制度の産物に過ぎず、制度が間違っていたら作り直せばいいので はないでしょうか?
 農業が基軸の地域計画、すなわち地域の自然に密着した自分たちの暮らし を積極的に作り出すことを、ベーシックインカム(国民配当)と「公共通貨」 を学ぶことから探る手掛かりにしたいと思います。
 より豊かで自由な発想と、そこから生み出される新たな政策提言に繋がる 機会をつくることが重要ではないでしょうか。
 この大会を通じ、明るい未来を語れる大人に成長し合いたいと考えていま す。

・・・・ どうして 、この二人 なの ? ・・・・・

以下、関さんと藤澤さんの共著「グローバリズムの終焉」より抜粋 (関さん執筆部分) ・・・・この国の根本問題は、恵まれた美しい国土にもかかわらず、首都圏に異常に人口が 集中していることにある。その理由は東京に行けば雇用と所得の点で有利ということ以外に ない。それならば基礎所得補償の実施に際して首都圏を一定期間補償の対象から外した らどうだろうか。そうすれば若者を中心に首都圏から地方への民族大移動が発生し、人口 分布の歪みは一挙に是正されるだろう。そして地方の人口が増え、その所得も保証されて い るならば、地域経済は自ずと活性化するはずである。基礎所得を有効に使うためには物価 の安い土地を選ぶほうがいいのだから、この政策はおそらく過疎地域や離島の人口を増や すだろう。・・・・

 どう実現するかはともかく 、この政策、とても分かりやすいと思いませんか?もう一 つ、こちらも引用になってしまいますが、

・・・・農業の基本的な使命は国土と伝統の保全であって、商品としての食物の生産で はない。それゆえに農業は資本さえ投下すれば発展する産業ではなく、地域の在り方のこと である。産業に不可欠な水利にしても、地域全体の視点から考えねばならないことは明らか である。この国が今必要としているのは、たんなる農業の再生ではなく農業を基軸とした地域 計画なのである。・・・・

 ・・・ 以下は、 この二人を呼ぼうと言い出した津村の考え方 の歴史 ・・・
 高校時代( 16 歳)に福岡正信の「わら一本の革命」に触れ、生き方を考え始める。 守田志朗の考え 方に大いに感動したが、現実の社会はどうもそういう考え方のもとには 動いてないことに気付く。昆虫学を学ぶために大学に行くが、農業の現場で夢を持って 働く人たちに触れる機会があり、大学を辞め、自ら農業の現場で働く道を選ぶ( 19 歳)。 農業には、やりがいや生きがいがあって、皆楽しく働けることは実感するものの、いわ ゆる慣行農法であったため、農法的に限界を感じていたところ、青年海外協力隊の存在 を知り、ザンビアに行く機会を得る( 29 - 31 歳、職種:養鶏)。あらためて、自給的 な小農の暮らしが、如何に生きていく基本であるかを痛感 する。帰国後、他の人や国を 侵さない、かつて描いた農的暮らしを実現すべく、独立した百姓になる地として安曇野 を選ぶ。そこで、この地での有機農業の先駆者である藤澤雄一郎に会い、生き方、暮ら し方を学ぶ。
 移住とほぼ時を同じくして、地元(安曇野市三郷)の廃棄物処理施設の違法な建設・ 操業という問題に関わることになり、自分たちの日々の暮らしの問題は、政治の問題に 直結していることを知る。 2005 年に市議選に立候補するが、落選。その後も裁判など を含め、運動は継続中。
 政治に展望を持つためには、先を見ることが出来る考え方が必要 。藤澤氏はその点に おいて、安曇野で会う他のどんな人よりも進んだ世界を見ている人だと感じた。 その藤澤氏が、考え方の指針にすすめる思想家が関氏である。

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